緊急事態宣言がまたもや延長になりましたが、「このままじっと宣言解除を待っていたら来年になっちゃうな。感染は本当に怖いけど、ここまでくると体が仕事を忘れそうで、そっちの方がもっと怖い」とシェフ金子。
今月に入ってから何だか仕込みをしている様子だなと感じていたら、「緊急事態宣言が延長されても、営業は再開する。緊張感を持って仕事がしたい」のだそう。
7月末から思い切って休業することに決めたのは、席数を減らし、お酒の提供をせず、20時に閉店するという状況では、営業しても本来の仕事は到底できないと思ったし、「やっぱり違う」と思いながら仕事をするのは、お客様に対しても申し訳ないと思ったから。自分たち自身の精神衛生上もいいはずがなく、一大決心したわけです。
結果的に、このことは実行してよかったと思っています。今までずっと気になっていたところを心ゆくまで大掃除できて、本当に本当にすっきりさっぱりしました。これまであまりにもバタバタしすぎて、そしてど真ん中にいすぎてわからずにいた自らの仕事についても、客観的に見ることができました。
そして何より、今は「お酒が出せなくても、20時閉店でも、やっぱり営業したい」と思えるようになりました。
巷で「宣言慣れ」がささやかれる中での、営業再開告知となりました。予想されたことではありますが、「お酒飲めますか?」というお問い合わせが驚くほど多く、残念ながらお出しできない旨をお伝えすると、ほとんどのお客様がご予約をやめてしまいます。
本当は我々だって、お酒を出して喜んでいただきたいのです。「私は何か間違ったことをしているのだろうか?」と、どっぷり落ち込んでいるところに、別のお客様が。
お酒がことのほか好きなのに「ワイン飲めなくていいから食べさせて」と、わざわざ店まで顔を見せてご予約をくださいました。
続いて「お酒が飲めないから普段迷惑かけてるけど、こんな時こそお役に立てると思って。私の出番がやってきました!」と言ってご予約くださるお客様。何をおっしゃいますやら、全然迷惑なんてかけてません。本当にありがたくて、泣きそうになりました。
サンルスーの方針はいつも最後には、自分がやりたいこと、信じる道を突き進むシェフ金子の鶴の一声で決まります。未だかつてない事態の中、一度は取りやめたお酒なしの営業に、再度踏み切ることになりました。
今、厨房は営業再開に向けて、仕込みに大わらわです。懐かしい、サンルスーの料理の匂いがいろいろしてきて、現実味が出てまいりました。
お酒はしばらくお出しできませんが、「いつものあの料理」はお出しできます。すっきりさっぱり、きれいに磨いた店と厨房で、一同お待ちしております。
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