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サンルスー・スーシェフ列伝

久しぶりに嬉しい機会がありました。


サンルスーを卒業してフランスに渡った元スタッフが、4年ぶりに(コロナのためしばらく日本に戻れませんでした)フランス人の素敵なパートナーを連れて一時帰国しました。



サンルスーに現れた元スーシェフ鈴木、一目見たらかつて日本中を震撼させた「教祖様」に瓜二つ。フランスにいる日本人からも、もっぱらそう言われているそうです。


集まれるメンツで会おうということになり、今は独立して自らのお店を数店舗やっている元スーシェフ上原と、現役スーシェフ香田と、本当に久しぶりの顔合わせとなりました。スーシェフだらけです。


スーシェフ時代の上原と鈴木、彼らはフランス語のABCも123も何も知らないで、サンルスーのスタッフになりました。全くのサラの状態から、シェフ金子が一から全て教え込んだ、いわゆる「子飼い」です。全く、よくここまで立派になってくれたものだ(鈴木はついでに体も立派になりました)と、我々としてはジーンと来るものがあります。


歴代スーシェフのこの3人、7年以上、サンルスーの長時間の重労働を耐え抜いた強者共です。この仕事は本当に大変で、調理師学校を出てこの世界に入っても、10人に1人も残らないのだそうです。


私自身、図らずもこの世界にどっぷりと漬かってしまうこととなり、「どうしてこんなに自分の時間と睡眠時間がないんだろう? エラいことに足を突っ込んでしまった」と思っているわけですが、それを思うと、本当に根性のある連中です。


「もの言う株主」ならぬ「もの言わないシェフ」のもと、たぶんいろいろやりにくかったと思いますが、よくシェフ金子を理解して頑張ってくれたとつくづく思います。


私から見た3人は、「大変を楽しむ」ところがあります。おそらく、そうでなければとても続けられないのでしょうが、忙しければ忙しいほど、生き生きと仕事をする。負うた子に教わる、という心境で「雇われの身なのに、どうしてこんなに楽しそうに一生懸命やるんだろう? 偉いなあ」と傍目でずっと見てきました。


寝る時間以外のほぼ全ての時間を、長いことずっと一緒に過ごしてきたので、数年ぶりの再会なのに、ちっとも違和感がありません。気を遣うこともなく、皆、言いたい放題です。正真正銘の「同じ釜の飯を食った」仲間です。



解散後、「あぁ、やっぱり、あいつらといると心底楽しい。本当にいい奴らだな」と、無口なシェフ金子が珍しくしみじみと言っておりました。


元スーシェフ鈴木、翌日にはパートナーのエロディと無事フランスに帰っていきました。見た目に惑わされず(?)、ちゃんと鈴木のいいところを見抜いてくれたエロディ、本当にありがとう!


元スーシェフ上原、1月には新たな店舗がオープンします。働きすぎに注意して、持ち前の能天気で頑張れ!


そして、仕事のため参加できなかった2代目スーシェフ荒井、いつも律儀にサンルスーを助けてくれてありがとう! 


最後に、「限界までやりましょう!」が口癖のスーシェフ香田、私が言うと逆効果だから、この夏から金子愚痴光に改名したシェフ金子のお尻を、新人君の大田とともに叩いて、なんとかこの年末を無事に乗り切っておくれ!

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