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あのメニューはどうなった?

サン ル スーのメニューは、一年を通して置いている定番があり、季節ものがあり、そしてシェフ金子やスーシェフ香田が作りたくなってメニューに載せているものがあり……そんな感じで構成されています。


いくらお客様から人気があっても、「もう、やめる」と一度言い出すと、一歩も引かないシェフ金子です。


だいたいメニューが消えていく際には、何となく予兆というか布石があって、シェフ金子がそのメニューの悪口を言い始めます。「また始まった」 と嫌な予感がするわけですが、その予感はおおむね的中し、メニューから外れていきます。


理由を聞いても決して教えてくれないので、お客様係の私としては、たまったものではありません。苦しまぎれに、もっともらしく取ってつけたような言い訳をさせていただくしかありません。


ここ最近、サン ル スーのオープン当初の味に戻ったクレームブリュレ(詳しくはこちら「大人の味のクレームブリュレ」)を始めとして、なぜなのかはまともな答えが返ってきたためしがないのでよくわかりませんが、消えていたメニューがちらほらと舞い戻ってきています。


「そろそろ、桃、始まりますか?」


はい、この季節の定番、「桃づくしのプティポ」始まってます! 今年は、とても信頼できる山梨の笠井桃園さん(スーシェフ香田の友人達が運営しています)の桃を使って、絶賛売り出し中です!



「俺がいつも食べてる、あの肉の塊は何処へ行ったの?」


「あか牛もも肉のロースト」のことですね。やめてから「あか牛ファン」がたくさんいらっしゃることを痛感しました。 舞い戻って今、ちゃんとサン ル スーにいます!



「前よく食べていた、紅茶のスパイシーなスープ仕立てのデザートを作って。しこたまワインを飲んだ後に最高!」


サン ル スー、完全に存在を忘れていました。それは「アールグレイ風味のババロア マサラティーのスープ仕立て」です。思い出して復活しました! これでまた、しこたまワインを飲んでください!



ちょうど良いサイズの骨付きのとりもも肉が入手できなくなってから、人気者にもかかわらず、長いことメニューから消えていた「とりもも肉のトリュフとフォアグラ入りリゾット詰めロースト」。


思うような大きさのとりもも肉が入るようになり、本当に久し振りに、ちょっとだけ内容を変更して復活しました。


お客様が「10年ぶり」とか「15年ぶり」とか好き勝手におっしゃる中、「30年ぶり」などと、まだサン ル スーが存在してないのに自由すぎることを言い出すお客様もいらっしゃいました。


「そうかそうか、みんな『とりもも』がそんなに好きだったんだ。いいよ、 勝手なこと言っても」と、とても寛大な気持ちになりました。



「メニューが増えすぎたから抜けてもらおう」と、メニューから外していた「アンディーヴ、 りんご、ロックフォール、プロシュート、くるみのサラダ」。


スーシェフ香田の友人が、長野から美味しいりんごを送ってくれたのをきっかけに、復活しました! こういうなんてことのないサラダ、フランス好きのお客様に人気があります。 



営業や経営そっちのけで、自分の好きなことだけをする自由なシェフ金子。「牛ホホ肉と仔牛舌のゼリー寄せ」なるものをメニューに載せました。


はっきり言わせてもらいますが、こういうメニューは正直、あまり一般受けしません。それで、文句を言う私と言い争いになるわけです。


そんな光景を目の当たりにしたからかどうか、スーシェフ香田がこの「ゼリー寄せ」を、サン ル スーのインスタグラムに載せたところ、すぐさまご予約のお客様から「ゼリー寄せキープ!」のご連絡が。


「今日はこれを食べに来ました。食べて良かった!」と、また別のお客様も「こういう料理って、しみじみと美味しい」と言ってくださいました。


皆、優しいなあ。「ビストロらしくて、俺はこういうのが好きだ」 と能天気に言っていますが、いろんな人々の気遣いや思いやりで成り立っていることに、おめでたいシェフ金子は気づいているのだろうか?



あ、そう言えば、最近、地味に人気の「鴨くんサラダ」(詳しくはこちら「地味な人気者、鴨くんサラダ」)の悪口をシェフ金子がチクチク言い始めています。「鴨くんサラダ」をごひいきのお客様、どうぞメニューからなくならないうちにお召し上がりください。



以上、サン ル スーのメニューの裏話でした。

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